2014年5月10日土曜日

経穴の苦しくない覚え方

 初めまして、稲垣順也と申します。
 詳しい自己紹介は後日とし、本日は、経穴の覚え方、そのコツについて、思うところを述べてみます。
 経穴の勉強に苦しさを感じている方は、試しに読んでみてください。

 経穴を出来るだけスムーズに記憶し、その記憶を以降も苦労せず保つのに有効だと私が考える要素は、以下の3点。

  1. 経穴を学ぶことに対する目的意識・モチベーション
  2. 経穴についての情報を、既習知識と結び付け、自分なりに効能を研究しようとする
  3. 経穴が存在するという自分の身体部位を、手指感覚のトレーニングも兼ね、触りまくる

  1. 経穴を学ぶことに対する目的意識・モチベーション

     あなたの潜在能力を目覚めさせてくれる魔法のボタンのようなもの──まさに、あなたの人生を変えるツボ──が、世界のどこでもない、あなた自身の体に、もし在るとしたら……その存在を知ることなく人生の大半を過ごしてしまうなんて、もったいないとは思いませんか?

     今の自分を変えてくれるツボがどこかに在ると信じられれば、経穴の授業は自然と貪欲な気持ちで受けることが出来るでしょう。そういう意味で、鍼灸が効いたという体験を持っていることは、勉強を進めていく上での大きな助けとなります。鍼灸の効能をもっと体験したい、家族や周りの人にも体験して欲しいといった思いが、逆に、まだ無いのだとしたら、360以上の経穴を覚えることが苦痛でしかないのは、むしろ当然のことだと思います。


  2. 経穴についての情報を、既習知識と結び付け、自分なりに効能を研究しようとする

     経穴の存在を知っても、その経穴へのアプローチが自分や患者さんには必要なのかどうか──つまり、その経穴の使い方のようなもの──が分からなければ、自分や患者さんの体調を改善することは出来ない訳です。そして、この“経穴の使い方”については、確かな正解はいまだ存在しないと考えてもらった方が良いと思います。そもそも、それが定式化しやすいものであるならば、鍼灸は既に世間からもっと安定した評価を得られていることでしょう。

     経絡や経穴の名前や位置には、東洋医学の理論や人体観が表現されている……そう考えて、経絡経穴概論と東洋医学概論で習ったことを、重ね合わせて考える癖を付けてください。そうすることで、経絡経穴については意味を感じながら勉強することができ、東洋医学については理論を具体化しながら勉強することができ、両方の内容を身に付けやすくなります(その具体例については今後、このブログで紹介していきたいと思います)。


  3. 経穴が存在するという自分の身体部位を、手指感覚のトレーニングも兼ね、触りまくる

     経穴が存在する場所を習ったら、その部位には“周囲との触り心地の境界線”が必ずあるのだと信じ、実際に触りまくってください。

     その“境界線”の明瞭さ・あいまいさは、経穴によっても人によっても様々なので、境界線を実感できないこともあると思います。しかし、その様々さを味わおうとして行う試み自体が、経穴を覚える上でも、手指の感覚を磨く上でも、大切な積み重ねとなります。「触りまくる」とは書きましたが、それは頻繁に・継続的に実践して欲しいという意味のみであって、経穴の触り方としては、指先で、出来るだけ圧力を加えず、皮をなでるように探っていくのがポイントになります。


 「鍼灸学生ではないけれど、ツボを勉強してみたい」という方なら以下の書籍を購入するのも良いですが、学生ならば、教材は教科書のみで十分です。

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